2009年5月19日火曜日

一人問答

いま悩ましいことで、今度のオケの本番・リハと、どの楽器を使おうかということがある。前回のオケでは本番は、Marengo Rinardiのバイオリンを使った。その時は2号機を既に持っていたのだけど、結局音に芯があり響きの美しいRinaldiをとってしまった。

今回は3号機(グァルネリコピー:奥)とRinaldi(手前)とで悩ましい。3号機は響きもかなり美しく、音にも芯がある。先生に言わせると、『他の楽器の上に乗っかれる楽器だから、いいねぇ』とのこと。約一年半ほどずっと練習で使ってきたので、少しずつ弾き込みも蓄積しつつある。
しかし、そこはやっぱり一応新作楽器。やはり音の出しやすさや、ハイポジでの反応の良さなど、約120歳のRinaldi Vnにはかなわないところがある(Rinaldi Vnは1895年製)。Rinaldiは高音も低音もバランスばっちりで、どの音も非常に安定してでるし、なにより軽〜いボウイングですぐ音が出る、全然文句のつけどころがないのだ。それプラス、自分のようにまだ技術のない奏者にとっては、この手
の弾き込まれた楽器は音程が安定しやすく、演奏の手助けをしてくれているような気がする。
じゃぁ何を悩んでんだ、それ使え、と言われそうだが、それはやはり作る側の人間としての悩みである。やはり自分の作った楽器でオケにのってコンサートを楽しみたい、と。欲を言えば、自分の楽器だからこそ他の楽器に負けて欲しくないのだ。
『そんなもん新作と120年ものを比べるのがそもそも間違いだ』と言われてしまえばそのとおりなのだけど^^;)

『人間とはどこまでも欲深き生き物よ』と、キングブラッドレイ大総統に言われそう。

(左:3号機、右:Rinaldi)
やはり自分の子供のようなもので、ちょっと贔屓をしてしまうところはある。3号機の高音部の反応がやや鈍いのは、板厚が通常よりも厚く裏板中央は5.5mmあるのも関係しているだろうか?パガニーニのカノン砲のコピーなので、オリジナルの6.5mmほどではないにしろ、でもそれなりに厚い。経年変化と弾きこみでより良くはなるはずだが、数十年後、どうなっているのだろうか?
いや、問題の焦点は今だ。贔屓目でやはり3号機を使ってやりたい。だが、音はずして他の皆さんに迷惑をかけたくない・・・。
いやしかし、あとでまた『あの時使ってやればよかったなあ』と後悔するよりいいのだろうか。

しばし頭の中で問答が続く。

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