2009年5月11日月曜日

パフリング①

先週末は、裏板に入れるパフリングとの格闘だった。
GW中に裏板をなんとか形に切出すとこまでは終わってたので、いよいよパフリングだ。
とはいっても、いっつもこのパフリング作りは苦労するし、うまくいかないことが多いので、はっきり言って好きじゃない。(^^;
(好きな人、いるのかな?よっぽど自信のある人は好きなんだろうな。)


まずはパフリングを入れる部分を4mm厚程にするところから。今回は板が厚いので、端を削って平面出すだけでもけっこう大変!ヤスリ、ミニかんな、電動工具など、あらゆるものを駆使して削りだし。
最終的な厚さの仕上げは、厚さをなんども測りながらほとんど一日がかり。

パフリングを入れる順序は、おそらく人によって違うのだけど、ストラドは箱を閉じてからパフを入れていたらしいということを聞いたことがある。
パフリング部のナイフ痕などから分かるらしい。箱を閉じてからパフを入れるというのは(カッサキューザ?というんだっけ?)、箱の音響的な仕上がりを重視する上では優れているようだ。
しかしほとんどの製作者にとっては、パフリング入れは裏板作成時にやってしまった方がはるかに楽で、ミスが少ないのではなかろうか。というわけで自分も先にパフを入れてしまう派。
僕がこれまでに会ってきた製作者達(いわゆるプロという人たち)は、みなこの方法だった。

しかしたかがパフリングとはいえ、この部分が音響に与える影響は無視できないそうですね。
パフを入れる深さや、パフ自体の硬さなど、最終的な音の仕上がりに影響するので本来は箱を閉じてから、が正攻法なのかも。自分もそのうち挑戦はしてみたいと思っているが(思っているだけ、今は)。

さてまずはどこに溝を掘るか、鉛筆でラインをひいてみる。
実物のストラドはほぼエッジから4mm〜3.5mmの位置にパフリングの端があるようだ。
コーナー部は仕上がりがどんな感じになるか、イメージを掴むため描いてみた。ん、ちょっとコーナー長すぎた?
今回表側から型をとったから実物の裏とは若干あわないッス。ちょっとコーナーのRが強めに出てしまったから、コーナーが細長く見えるかも。
ま、最後に微調整するのでその時にどうなるかなあ?


さて、パフリングの溝を掘る段階だが、自分は電動工具を駆使してつくります。
こんな道具を使うと、邪道だとか言われそうだけど。
手彫りよりよっぽど正確な深さに、きれいに早く彫れるのは、(自分にとっては)電動の方だと自分では思う。
便利な道具を使わないで、古い手段のみにこだわるのはもったいないような気がします。もちろん手でやった方が上手くできる人はいるけど、我々は楽しんで作ってるので(時間もないし)、使えるものは何だって使う。
Est-ce-que je me trompe? ... M'en fous!!! (^^ 

しっかし、電動工具を使うったって、それなりに時間はかかる。やっぱり一日がかりです。電動工具の怖いところは、少しの手のぶれが取り返しのつかないミスになるってこと。それは手で溝掘る時でも同じですが、手でやるにしろ機械つかうにしろ、やっぱり気が抜けないってことです。
コーナー部はまだ仕上がってないけど、だいたい全体に溝が掘れた。
ああ、やっぱり肩が凝る作業だ。今回もちょっとミスをしてしまったし。まあ、でも毎回少しづつ上達して来てるようなきはする。
(自覚が事実と一致するとは限らない)

2 件のコメント:

  1. ふぢの様

    パフリングの作製写真大変参考になりました。
    約45年前小学校6年の時小学校で
    弦楽団を組織し、発表するということで
    音楽の先生が、生徒を募集しました。
    そこで、興味があった私は早速応募したわけです。
    そんなことがきっかけで、中学生のときは
    正式に先生に師事し、3年間習いました。
    一応大学4年まで、バイオリンをアマチア交響楽団に
    入って、楽しんでました。大学を卒業してからは
    バイオリンはほとんど弾いていません。
    で、中学の3年の時ですが、質屋で親父が購入した
    バイオリンでは可哀そうだという話になり、
    高価ないいバイオリンを買ってくれました。
    当時のバイオリンの先生が言うには、マッジーニをコピー
    したモデルで、まあ使えるよと言うことでした。
    ということで、今日、バイオリンの中に張ってあるラベルからマッジーニと言うバイオリンはどのようなバイオリンかを
    調べました。ラベルには、Giobani Paolo Maggini breiciaと書いてありました。Gionaniのnが1個無いのは、
    コピーと言う意味と解釈しています。
    マッジーニのバイオリンの特徴を調べていたら、
    パフリングが2重と書いてありした。
    そこで、パフリングが何かと、いろいろ調べていたら
    ふぢのさんのブログに行き着きました。
    やはり私のバイオリンにも、2重4本ちゃんとありました。
    有り難うございます。
    今後、バイオリンの手入れだけはしていきたいと思います。

    from yamadakou

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  2. yamadakouさま
    コメントの返信、大変遅くなり申し訳ありません。
    コメントがあった場合メールに飛ぶ設定になっているのですが、なぜか連絡が最近来ません。
    当方のつたないブログを参考にしていただいて、恐縮です。
    私などよりずっとバイオリンの経験が長いのですね。私はマジーニモデルは手に持ったことがないので、
    詳しくは知らないのですが、最大の特徴はやはり二重パフリングでしょうね。
    それと、ヘッドスクロールの巻きが一回転多いと。
    ただでさえ面倒くさいパフリングを二重に入れようというのは、装飾のためとはいえ私からしたら
    頭が下がる思いです。
    おっしゃるようにマジーニモデルはコピーが多く、本物に出会えることなんてそうそうないとは思いますが、
    バイオリンの先生がある程度認めるものであるなら、まずまず価値のあるものでしょうね。
    大事になさってくださいね。
    とかく楽器は市場価値がうんぬんいわれることが多いですが、その楽器に対する思い入れや歴史は人それぞれ。
    それぞれ価値は計り知れないものだと、最近思うことが多いです。
    私も本物かどうか分からないイタリア製バイオリンを使っていますが、真贋なんてほとんど気にしていません。
    使う側が愛着を持っていれば、それだけでプライスレスですよね!

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