2009年5月31日日曜日

VSA展示会

昨日、池袋で開催されたVSAの春の展示会に行って来た。開催は今日までの2日間だ。
あいにくの天気でじめじめとして、あまり楽器にはよろしくない天気だった。会場に入ると、やっぱり人はたくさん。今回は楽器の出展数はいつもより少ないようで48個のVnといくつかのVc、ビオラといったところだった。

今回白木のバイオリンも出てたりして、けっこう注目になってたようだ。他人様の作品をみるのは楽しい。それと同時に、負けられないな、という気持ちもあったり、この人の作品すごい、と思わされたり。やっぱり行くだけでもかなりの刺激になるものだ。
あいにく、15時までのコンサートには間に合わず、プロの演奏を聴くことは出来なかったのだけど、会場のあちこっちにプロの人がいて彼らの演奏を聴くだけでも、けっこう興味深い。あれぐらい人前で自信満々でひける技術があれば、いいのだけど・・・^^;)
私のメンターともいうべき、八千代の久我一夫氏のバイオリンも調子にのって弾かせてもらう。これは氏のグアルネリハイフェッツだ。色素を全くつかわないで作られたニスで塗った作品は、オーラのようなものを感じさせる。音は、やはり素晴らしいですね。この楽器の場合最適なボーイングポイントはかなり駒よりと、氏に教えていただいたり。
自分のカノン砲コピーと比べるのはおこがましいが、やはり音の傾向は似ているような??低音のふくらみ方は、さすがガルネリという感じで。
氏のストラドモデルも弾かせてもらう。やはりガルネリとは全然違う。デリケートで繊細ながら、高音の響き方はなんともキラビやか。どちらも甲乙つけがたいものだ。
素晴らしい作品を弾かせてもらえて、幸せなイベントでした。もう少し技術をつけてより演奏も楽しめるようになりたいですねぇ。

2009年5月29日金曜日

日本バイオリン製作研究会

今週末30・31日と池袋の自由学園明日館にて日本バイオリン製作研究会の春の展示会が行われる。毎年同じ自由学園での開催だ。
この展示会は協会に所属する人たちのバイオリンが一斉に見ることができる。いつもはクレモナ在住の菊田さんや高橋明さんも参加されて、毎年大勢の人でごった返すのだが、今年は残念ながらクレモナ在住のお二方は参加されない。
しかし毎年会場はあまり広くないところに毎年多くの人が入るので、会場ではあまり落ち着いて作品を見ることができなかったのだが、逆に今年は菊田さんたち目当てで来る人が少なくなるのでチャンスか?もちろん僕もあの人たちの作品はみたいけど。
しかし日本在住の方の中でも尊敬する製作者の方は多くいる。たとえば八千代市の久我和夫氏。徹底してオールドバイオリンの音響を求める氏の作品はまさに尊敬に値する。他にも日本人ならではの工夫を凝らしたヘッドを作っている方とか、見ていて面白いものは数多くある。
ただ試奏するにしても、人が多いので自分の音はあまり聞こえないのが難点だが。逆に人が少なくて下手な演奏を聴かれるのも恥ずかしいけどネ^^;)
またしばらくご無沙汰している人たちにも会えるかもしれない。(Vocaliseのメンバーの人たちなど、、、元気だろうか。)明日土曜日はレッスンなので、その足で池袋までいくかな?まだ予定は決めてないが、今年もいってみようかな。

2009年5月28日木曜日

またまた先生交代

2006年5月頃のお話
先生が交代して一ヶ月と経たないうちに、今度は自分がまた引っ越す事になってしまった。
まあいろいろと事情があって、嫁さんと一緒に実家に戻ることになったのだ。
実家は関東なので、当然もう同じスクールに通ってレッスンというわけにはいかない。
そこで、こちらのカワイ音楽は休校ということにして関東のカワイに転校することになった。
これまでレッスンは30分(実質40分くらい)、月3回で8350円くらいだった。驚いたのは、同じカワイ音楽学校でも地域・支店(?)によって金額が違うのだ。新しいカワイ音楽では、9450円になってしまった。(時間・回数同じ)これはあまり好きなことではなかった(同じ内容のものが余計に高いと言うのは納得できないス)。

とりあえず、新しいとこはどんなとこなのか知るつもりで一ヶ月分は授業料を払った。
いざ、新しい先生とのレッスンだ。新しい先生はどんな人かなぁ~?
レッスン室に入る。でけぇ。20人は軽く入るような部屋だ。ここに先生と二人だけ。
無駄にでかいんですけど。先生は、かなり若い女の先生だ。20代?つーか大学出たばっかぐらいじゃないんですかい?
などと、頭の中で問答する。
軽く話をする。今までどんな教本でレッスンしてきたか、どこまでレッスンしたかなど。
話した後の印象はこうだ。
“えー、大丈夫か、この先生で?なんかキャピキャピしちゃってんだけど。
ちゃんと教えてもらえんのかな?・・・”
素人のくせに失礼なことを考えてらぁと、今は思う。でも実際感じたことなのである。レッスンの方はどうだったのかっちゅうと、、、まあ可もなく不可もなく・・・。
そんなに自分との相性が良いとは感じなかったが、あくまでこれはレッスンだし。
で、この先生はどの教本かというと、『新しいバイオリン教本』なのだった。
念のため3巻をすでに買っておいてよかった。先生が代わるたびにこうやって
教本も代わったりするもんだから、自分は教本いっぱい持ってるのだ。


先生から一言
『この教本CDがあるから軽く聞いておくのもありですよ。私はこの本のCDで育ちましたから』キャピッ
なにっ、そうなのか。それは買っておこう。サンキュー先生。
で、CDを買おうとすると二枚組みでなんと5000円もする。高っ。
たかが教本のCDごときがこの値段か。いただけないなぁ、でも買う。
実際ぜんぜんしらない曲をやるときはずいぶんと役に立ちました。

2009年5月27日水曜日

先生交代劇

このブログではいろいろと話が前後しており、分かりづらくなってます。すいません。
現在は自作四号機を作っている最中ですが、その合間に過去のことなどをいろいろと織り交ぜております。

2006年4・5月頃の話
「新しいバイオリン教本2」もレッスンが進み、最後の大作『ザイツのコンチェルトNo.1』にとりかかるころだった。第1楽章がようやくレッスンで終わりになったころ、先生から告げられたことがある。

先生『あのー、私来月結婚して東京にいくので、ここのレッスンは今日で終わりです。』
なんですと?!いやいや話が急だなぁ、僕ら生徒はどうすりゃいいのかな?
先生『あ、後任はもう決まってるので安心してください。私と同じアンサンブルをやっている先生です。』
えー、つうかそれはいいけど、先生が変わるのってちょっといただけないなあ。しかもこの曲終わってないし・・・。
とはいっても、既に決定事項だ。自分には何もできないのでおとなしく次の先生のレッスンを受けることにするのだった。

そのころこっちもいろいろ事情があって仕事が変わって県庁所在地へ引っ越したり、とめまぐるしく環境が変わっている最中での先生の交代劇であった。次の先生は男の先生らしい。正直乗り気ではなかった。
って、別に先生が男だからイヤダとか、そんなんじゃないですよ。やはり一年近くみてもらった先生が変わるのは気分的にイヤだったのだ。

乗り気でないながらも、次のレッスンへむかう。新しい先生はおそらく30代後半だろうか?
眼鏡をかけた気のやさしそうな先生だ。先生の左の首にはボッコリとでかいタコができている。
うわっ、すげータコ。楽器ひきまくってるとこうなっちゃうのかな?
そういえば、ある人からも言われたことがある。
『バイオリンて弾けば弾くほど、首にタコができるんでしょう?』と。
当時はふーん、そんなもんなのか、じゃあタコできるまでがんばらな。と鵜呑みにしていたが・・・。
いろいろな話を総合して考えると、首にタコができたりアザになったりしてるのは、楽器を押さえるのに余計な力を使ったり、あご当てがあってないためにできる。うまいほどたこができる、というわけではないらしい。むしろヘタな人ほど首の力で楽器を押さえつけようとする、らしい・・・のだが。別にこの先生がへた、とは一度も思ったことはない。むしろ尊敬できる人物だった。

まあ、とにかくレッスンそのものは順調に進んだのだ。使っている教本が終わりそうだ・・・ということで、先生に頼まれ次の教本を買うことに。しかし新しい先生は篠崎バイオリン教本3巻をお勧めされた。自分としてはあまり教本の種類が変わるのは好きではなかったが・・・

ザイツのコンチェルトはこの新しい先生と一緒に仕上げた。仕上げたとはいっても、本人的にはまだ納得の行く出来ではなかったけど^^;)

2009年5月26日火曜日

一号機のニス(とりあえず完成)

一号機のニスはいつまで経っても柔らかいようなので、とりあえずフィッティング類を
着けて弾いてみることにした。
なんか心なしか、高音域の音が小さくなったような・・・
ノイズがへったといえば聞こえが良いが、どうも音量全体が沈んでしまっているような・・・


それはそうだろう。なにせ、よく分からずにニスを塗りまくったのだ。薄め液もなかったし。
後年、このニスは塗り直すことにしたのだが、その時ニスを剥いで驚いたものだ。
通常ニスはミクロン単位の厚さであるべきだが、このニスは目視で0.5mm〜1.0mm
くらいはついていた。そりゃ当然音量は落ちますよ。
表裏・横に板の振動を殺すものがそれだけついてれば(苦笑)
このニス、仕上がりはきれいだったのだけど。塗りっぱなしでOKだったし。

ニス塗りも失敗をしたおかげで、また良い経験ができた。ありがとう一号機。

この一号機は遥か海を渡ってフランスまで、自分と一緒に旅までした思い出深い一丁だ。
というのはカミさんの家族に結婚の報告に行くのに、こいつも持って行ったのだ。やっぱり初めて作ったVnてのをみんなに見せてみたかったのだ。見せるに値するものではなかったけども^^;)

2009年5月25日月曜日

一号機のニスを塗る

 2006年6月にホワイトで完成した一号機バイオリンだが、いよいよニスを塗るときが来た。
ニスはあらかじめインターネットで某サイトから購入しておいた。
ここで頭を悩ませたのが、、、オイルニスにするかアルコールニスにするかだ。約300年前、ストラディバリ達が活躍したころのニスはオイルだったはずだ。純粋なアルコールを入手するのは当時はまだ難しかったのではないか?と勝手な推測を立てる。
 とすれば、誰かが言ってたように本来のニスの原点はオイルだったはず。自分もオイルで塗ってみるぜ!という具合に決定した。
(塗り始め。下地処理ができてないのでニスが染み込む...)
ニスの色は、ちょっと赤が入り込んだ茶色を目指したかったので、レッドブラウンを注文。なんとなく赤っぽいのってカッコいいじゃありませんか?

しかしオイルニスに関して何の知識も持ち合わせていなかったので、薄め液などがない。使った刷毛はどうやって洗うの?まったく分からない。とりあえず近所の画材屋で油絵用の亜麻仁油・テレビン油を入手してみる。こいつらでとりあえず刷毛を洗ったり薄めたりできるかも...。
(これは10回くらい塗ったところか?覚えてない)
しかし購入したテレビン油たちとオイルニスはまったく相性が合わなかった!ニスを薄めようと画材屋購入の油を混ぜると、ニスの樹脂と反応するのか、すぐに白濁!おまけに樹脂はこれらの油の中では細かいパーティクル状に固まりあい、刷毛に絡みつきまったくとれない。その刷毛を使うと、きれいな塗布面にビタビタとパーティクルが張り付き、表面はざらざらに仕上がる!
なんと難しいものなのか!
塗った翌日は表面が乾いているので、よかろうと思って表面凹凸を直すためペーパーがけをする。
(これは本に書いてあったとおりにしてみたのだけど。)
ところがペーパーをかけるときれいで光沢をもっていたニス表面は白く濁りボロボロと固まりになって落ちる。ペーパーに絡みつく。いったいこのニスの樹脂は何で出来ているのだろうか!?ある製作者に聞いてみたところ、『樹脂の配合に問題があるのでは・・・』とのこと。しかし知識のない自分にはまったく何も理解できなかった。買ったニスだから、、、何が悪いのか分かりません。


着色ニスは通常20〜30回塗る、というネット上の情報を鵜呑みにして、とりあえずオイルニスを20回塗った。しかも薄め液なしなので・・・塗膜はそうとうに厚い・・・。しかもこのニスは何日たっても柔らかい。表面は乾いているけど中はブヨブヨなのか?
レッドブラウンのはずだが、塗ってみるとどうもくすんだようなオレンジ色になった。

ニス塗りは大変大変、ってよく聞くけど、こんなに大変な物だとは思っていなかったー!
(というかこの例は極端な例ですが・・・苦笑)
『オイルニスを塗ると音まで柔らかくなります』とかいうどっかの宣伝文句に完全に乗せられていたような気がする!たしかにニスは柔らかいけど?!ブヨブヨじゃ意味ない。しかもかーなり厚い。

はてさて、どうしたものやら?とりあえずこのままいくか?

2009年5月24日日曜日

オケ練習日

土曜日は予定通り、オケの練習にいって来た。朝9時からだ。
土曜日なのに、平日と変わらない時間におきなきゃならず、カミさんにブーブー言われる。
まあまあ、これは練習ですから・・・遊びじゃないし^^;)

今週は平日毎日これのために練習したのだ。さあ成果をみせろ!
自分に気合いを入れる。しかしいつも手が多汗症の自分は、人がたくさんいるところで弾いたりすると、さらに手に汗をかく。
多汗症の人は分かると思うけど、手が滑りすぎたり、ひっかかったり、けっこう大変なんですよ。

最初は「フィガロの結婚」からだ。
ここで席順発表。えっ?!僕おもて?1stなのに!客席からみえみえっすか!
あらあら、こりゃ緊張する(後ろの方とはいえ)。
お隣はいちおう知り合いの方で、よかった。といっても、所々音外しちゃってご迷惑おかけしました。^^;)
モツアルトって、はぎれよくやらないと、ダラダラになっちゃいますよね。僕はまだかなりいい加減な部分もあるし。
がんばらな。

次は「アルルの女」だ。これはけっこう好きなんだな。3楽章まではゆっくりいけるぜ。
指揮者さんからいろいろアドバイスや、注意点があったけど・・・あまり覚えてないす。
4楽章Falandoleだが、これは練習の甲斐あって、少しまともになったか?オケにのれました。
最後まで乗れたので気持ちよかった!
自分の後ろが打楽器隊なので、最後の方はかき消されて聞こえないので音程取りづらいけど!

午前中は2曲だけだが、なんかこれだけでももうかなり体力消耗・・・。あれ、オケの練習ってけっこう疲れるんだったな。
午後はスターウオーズとパイレーツがあるのに、大丈夫か?

いよいよスターウオーズの出番だ。この日はトロンボーン隊がいないため、完全には揃ってない。
しかし、金管と打楽器が入ると迫力がぜんっぜんちがう!いいねー!ちょっとやかましいけど!
スターウオーズは好きになって来ましたよ。ノリで弾いてる気分になってる。
しかし、疲れますなあー。指揮者さんも汗だくだ。大変そう。
僕のバイオリンもチューニングがくるってしまった、汗で。^^;)ガット張ってるもんですから。
ちなみに持ってったのは3号機Vnだ。やっぱりいつも練習に使ってるのでなじみやすさはこれが一番!多分本番もこれで行こうと思う。

まだパイレーツとかその他もろもろありますが、この後はもう疲れきってしまった。
知らない間にボーイング変えられると、弾く気なくなるっつーか・・・。ボーイングがちょこちょこ変えられるのはめんどくさいかな。
約5時間ほどの練習だったけど、つかれましたねー。
ちょっと疲れすぎたんで、しばらく練習やすんでいいかな?

2009年5月23日土曜日

一号機 ホワイトで完成

なんとか形は出来上がった一号機バイオリン。ネックを取り付けて、フィッティング類をつける頃などは、もう早く音が聞きたくて、居ても立ってもいられない。
自分の手で作ったバイオリンがいったいどんな音がするのか・・・?これはもう早く弾いてみたくて、どうしょうもない気持ちになる。
(肩にコルクシートが貼ってある。これは最終仕上げの養生用だったっけ。)
ホワイトバイオリンの状態で絶対音を出してみたかったのだ。フィッティング類を取り付けると、いよいよ待ちに待った音出しの瞬間だ!
おもむろに弓を弦に乗せ、弾き始める・・・
ボーーー(G線)
おおおおぉっ!!!音が出たあぁぁ!!しかも結構G線太くてでかい音!
他の弦はどうかな?
D線・A線もけっこう音量がある!E線はちょっと音量少ないけど、でもいい感じ!
いろいろと弾ける曲を弾いてみた。当時レッスン中だったザイツのコンチェルトNo.3なぞ・・・
う〜ん、演奏技術はまあ置いといて、音はそんなに悪くないんじゃないの?いろいろ失敗の連続だったけど、バイオリンになってくれた!音は若々しくて張りがあるなぁ。
では、早速レッスンに持っていってみるべし。

当時の先生(この女の先生、自分にとってはすでに3番目の先生)に見せてみる。結構驚いたみたい。まあ手作りバイオリンをレッスンに持ってくる生徒はあまりいないだろう。
先生に弾いてみてもらう。
・・・
・・・
先生『へ〜』
・・・
・・・
って、おい!コメントそんだけかよ!もっとなんかないのか、おもしろ〜いとか、すご〜いとか!ほとんどコメントはないままおもむろにレッスン突入。
なんだそりゃ。

と今考えると、それが正直なリアクションだったのでしょう。別に音に関してはすごい!とか
いう印象もなかっただろうし。特に指導者などは耳も肥えているはず。それよりも雑音とかの方が気になったのかもしれないし。
人間はけっこう正直なもんで、こういう時ウソっぽいコメントとかはあまり言えないものですね。
悪いコメントは特に言えないはず。だから先生のリアクションからだいたいどんな印象だったのか、
今では想像できる。

作った側にとっては特別なもの。弾く側にとっては多々ある中の一つ。
客観的な視点で見れるのは言わずもがな後者であり、
作る人間はいつも心に留め置くべきものだと感じたのだ。
そうは言ってもやはり自分の作った楽器というのは、思い入れが強いものですが。

2009年5月21日木曜日

一号機作成(失敗談など)

さて、2006年3月に作り直しになった一号機の内型だが、今度は形がゆがまないように慎重に型紙を合板に貼り付けた。前回型紙の糊付けで形がゆがんでしまったのに、なにゆえまたしても型紙を糊付けする?!といわれそうだ。たぶん、当時何が原因で形がゆがんだのか、本人はいまいち分かっていなかったのかも。
とにかく今度は慎重にやれば大丈夫さ、と勝手に思い込む。たかが内型作りだが、やはりなによりも大事な部分だ。一から作り直すのは面倒だが、やるしかない。
ごりごり、ごりごり。
二・三日かけて内型が完成した。やはり今回も左右完対称ではないようだ・・・。だが前回よりはマシか?!ということで、この二つ目の内型で作業を進めることにした。

一号機の作成では、とにかく失敗の繰り返しばかりだった。一つ一つ見ていくのはあまりに多すぎるのでおおまかに記録として残しておこう。

まず内型の作成での失敗。
横板厚さ出しでの失敗。スクレーパーで削っていたら、一部が薄くなりすぎた。
横板を貼り付けるときの失敗。はじめはニカワが薄すぎて、2・3日で剥がれてしまった!横板張りなおすため、剥がれ部以外も外す時に、コーナーブロック破損!→作り直し。
コーナー部はRがきつく、横板が一部ひび割れてしまった。
横板の高さ出しでは、杢の部分が欠けやすく、一部が規定の高さより低くなってしまった!
かけた部分はコクソを使って埋める。(コクソの使い方に関しては、すみやさんのHPに詳しく書かれていた。様様な情報を与えてくれる素晴らしいHPのひとつだ。)
ライニングと横板は完全密着できなかった、隙間発生!
と、横板だけとってもこれだけの失敗を重ねている。だが、こういった失敗をおかしてこそ身につく経験・知識が大事だと今では思う。

裏板・表板作製では、
パーフリング失敗。コーナー部の出来は最低。ガタガタ。
アーチングは、きれいな曲線というよりは、平べったい感じになってしまった。(おなべの底のようなイメージか?)
(見てのとおり裏板は変な年輪が走っている。何なんだろうかこの材料は)
板の厚さは、とりあえず本に従った厚さにするのだが、おそらく目的の厚さは出ていない。
タッピングトーンのことも良く分からず・・・仕上げは適当!
表板は本の言っている意味が良く分からず、とりあえず裏板と同じように厚さにグラデをつけてしまった!
だから通常の裏板の厚さ配分とはまったく違う。これもタップはしてないので適当な仕上げ!
バスバーをつける時、圧締が強すぎて表板表面のバスバーの部分が盛り上がる!
と、まあものすごい失敗の連続であった。材料も材料で正体不明品だった。スプルースは異常な柔らかさだ。
だからバスバー取り付けで表板が変形するぐらい。
今思うと、よくまあバイオリンの形になってくれたなぁと違う意味で感心する。


ネック作製に関しては・・・まあ言うまでもないですがね。まったく形になってませんでした。まあ経験しないとどうにも分からないことが多いってことですよ。そういう意味では四の五の言う前に実際に作り始めてよかったと思ってます。
一号機は失敗の積み重ねで出来上がったようなもんですが、今は感謝感謝です。
一号機の材料は、すべてアメリカの方からきた。安かったからなあ〜、いったいどんな材なのか実はほとんど分からずに使ってたのです。

2009年5月20日水曜日

人前で弾くこと

かつて友人の結婚式でバイオリンを弾く機会があった。
その友人は式を挙げなかったので、仲間内で披露宴をやってあげようということで100人規模のパーティを開いたのだった。
2005年7月のことである。
ちょうどバイロリンレッスンを受けて2・3ヶ月が経過した頃のことだ。ト長調・ハ長調音階のレッスンが終わったばかりの頃だ。ここは友人のため、一肌脱いでいっちょ演奏をプレゼントしてあげようと考えた。とは言っても一人ではあまりに寂しい。もう一人の友人40)がギターを弾く人だったので、彼が
『何か分かりやすい曲をやろう、俺はカントリーロードとかすきなんだな』
と言うので、じゃあそれでということになった。

とは言っても、当時この曲のことまったく知らなくて・・・恥ずかしいことで・・・
しかしちょうど持っていたジブリ曲集の中に入ってて、それそのまま使おうということになった。
友人もちょうどVnを始めたばかりのころだったが、彼のは自分の以上にひどいものだったし(どっかのフリーマーケットで1000円くらいで買ったらしい?みたところ中国製?)、Vnはムリ。ギターがいい。ということだった。
曲集のピアノ伴奏譜についているコードをそのままギターでならすことに。自分はそのままVnパートを弾く。
3・4回の軽い練習をしていざ本番という日になった。曲はカントリーロード一曲では寂しいのでなにかクラシックを入れたかった。
ということでG線上のアリアを弾くことにした(友人は嫌がったので、これは独奏である)。もちろんG線だけじゃ弾けるレベルなんかにゃなかった頃です。伴奏にはカラオケCDを使用。
“では、次は友人のそうえもん君から曲のプレゼントです。”
ではいざ、参らん。
ぎちっぎちっ、あっ体がかたい・・・。壇上に上る。100人の目が集まる。
あっ、やばい。こんなたくさんの人に見られるなんて経験ないぞ・・・。
たとえ知った顔が多いとは言っても、やはり聴く人が100人もいるというのはプレッシャーであった。
いきなりカラCDが回り始める。おっ、おい!まだ心の準備が!・・・もう遅い。弾くしかないのだった。
そんな心理状態+体ガチガチでは、ボウイングがまともにできない。頭じゃ分かってるのだけど、右手がひじから先の感覚がない。
おもひでボロボロです。
・・・
ま、まぁアリアは置いといて、と。気をとりなおしてカントリーロードいきましょう。
と、ここで友人が壇上から『誰か歌える人いねぇべか〜』といきなりボーカル募集。おい、なに勝手にはじめてんだアンタ。
さらに別の友人の彼女がボーカルとして加わり、三人でやることに。でもこれは結果的にはよかったですね。VnパートとVoはユニゾンになっちゃいましたけど、やっぱ歌とか入るとにぎやかでいい。自分の体も二曲目ということでやっとこ落ち着いてくれて、なんとか曲になってくれました。

人前で演奏するのって、勇気がいるんですね。僕知りませんでしたあ〜。でも、いい経験になりました。ぜんぜんクラシックとはかけ離れてましたが、演奏は人前でやってナンボという気がしました。
終わったあと、花嫁のお父さんがいたく感激したらしく、たいへん喜ばれた。このお父さんは某酒造酒販会社の社長さんで、自分のとことは長らくライバル関係にあったので話もしたことなかったのだけど、話すととてもいい人だった!
お父さんはマイクをとると、突然こんなことを言い出した。
『そうえもん君、今年の夏休み指揮者の小澤征爾さんが町に来るからその時ぜひ紹介してあげよう!』
なんですと?いやいやまさか、世界の小澤さんがこんなド田舎に来るわきゃないっしょ。かなり酔っ払ってるな、おじさん?僕は本気にはしなかったのだった。それにその年の夏休みはフランスに一ヶ月行く予定だったので、どっちみちムリであった。
しかし、あとあと聞いてみると、本当にこのお父さんと小澤氏は知己で夏に来たらしいのだ。(夏のなんとかキャラバン?とかで)
あぁ、なんたること。そんな素晴らしい機会を逃してしまうとは・・・。しかしよく考えてみると、世界を代表する指揮者の方にお会いしたところで、一介のアマチュア奏者が(しかもかなり低レベル)なにを話せると言うのか(笑)
恥じさらさないでよかった反面、やはり会ってみたかったな・・・。

2009年5月19日火曜日

一人問答

いま悩ましいことで、今度のオケの本番・リハと、どの楽器を使おうかということがある。前回のオケでは本番は、Marengo Rinardiのバイオリンを使った。その時は2号機を既に持っていたのだけど、結局音に芯があり響きの美しいRinaldiをとってしまった。

今回は3号機(グァルネリコピー:奥)とRinaldi(手前)とで悩ましい。3号機は響きもかなり美しく、音にも芯がある。先生に言わせると、『他の楽器の上に乗っかれる楽器だから、いいねぇ』とのこと。約一年半ほどずっと練習で使ってきたので、少しずつ弾き込みも蓄積しつつある。
しかし、そこはやっぱり一応新作楽器。やはり音の出しやすさや、ハイポジでの反応の良さなど、約120歳のRinaldi Vnにはかなわないところがある(Rinaldi Vnは1895年製)。Rinaldiは高音も低音もバランスばっちりで、どの音も非常に安定してでるし、なにより軽〜いボウイングですぐ音が出る、全然文句のつけどころがないのだ。それプラス、自分のようにまだ技術のない奏者にとっては、この手
の弾き込まれた楽器は音程が安定しやすく、演奏の手助けをしてくれているような気がする。
じゃぁ何を悩んでんだ、それ使え、と言われそうだが、それはやはり作る側の人間としての悩みである。やはり自分の作った楽器でオケにのってコンサートを楽しみたい、と。欲を言えば、自分の楽器だからこそ他の楽器に負けて欲しくないのだ。
『そんなもん新作と120年ものを比べるのがそもそも間違いだ』と言われてしまえばそのとおりなのだけど^^;)

『人間とはどこまでも欲深き生き物よ』と、キングブラッドレイ大総統に言われそう。

(左:3号機、右:Rinaldi)
やはり自分の子供のようなもので、ちょっと贔屓をしてしまうところはある。3号機の高音部の反応がやや鈍いのは、板厚が通常よりも厚く裏板中央は5.5mmあるのも関係しているだろうか?パガニーニのカノン砲のコピーなので、オリジナルの6.5mmほどではないにしろ、でもそれなりに厚い。経年変化と弾きこみでより良くはなるはずだが、数十年後、どうなっているのだろうか?
いや、問題の焦点は今だ。贔屓目でやはり3号機を使ってやりたい。だが、音はずして他の皆さんに迷惑をかけたくない・・・。
いやしかし、あとでまた『あの時使ってやればよかったなあ』と後悔するよりいいのだろうか。

しばし頭の中で問答が続く。

2009年5月18日月曜日

最近の練習

このところ、週末は作る方ばっかりになってて、弾くほうはちょっとお留守になってますが・・・。
いちおう、オケのコンサートに向けて練習はしてるんですよ。
今週の土曜日は、丸一日オケの練習なのでそれに向けて一応のレベルアップはしとかないと・・・^^;)

今度の演奏曲の中のクラシック部門は、まあそれなりに弾けるようにはなってきたかと思う。
フィガロの結婚はたぶんほぼいいでしょう。最後の方にちょっと速くデタシェで弾く部分があって、ずれると目立ちそう。でも先生の言うとおり、隠れるべきところは隠れる!をモットーに(そんなモットーでいいのかな?)がんばってみよう。
ビゼーのアルルの女(第二番)ですが、3楽章まではぜんぜんOKですが、最後のFarandoleです、問題は。最後の一番盛り上がるところなのだけど、やたらとハイポジション!そんな上の方ひいたことねーよー!
今回は1stVnなので、なおさら音をはずすわけには行かず・・・一生懸命CDとあわせて弾いてはいますが・・・。一番盛り上がるところで一人で音をはずしまくっていたら、ひく本人もやっぱり寂しいです。とにかく練習するしかないんですねぇ。

スターウォーズ、今回は2ndVnです。これはこれでラッキーでした。1stほどヒステリックにハイポジではないし、まあいざ本番では管楽器に隠れてほとんど聞こえません^^;
練習始めた当初、『つっまんねー曲だなあ』としか思ってなかったのだけど、最近だんだん楽しくなってきました。テンポ速くて聞かせどころはすくないっちゃ少ないんですが、要所要所で音を合わせると・・・、なんだか自分も弾けてるような気になってきます^^

他にもまだまだ練習曲たくさんなのですが、、、間に合うか?!がんばろう。

2009年5月17日日曜日

パフリング②仕上げ(四号機)

四号機のKruseは先週、パフリング用の溝を掘るとこまでおわっていたので、今週はようやくパフリングを入れることができた。と、いいながら写真は撮り忘れてしまった。今回のパフリングも作業中は集中(?ちょっと半切れぎみで)してやっていたので、写真どころではなかったり・・・^^;)
というわけで、すでにパフリングを入れ終わった次の日の写真だけど。
パフリング入れはなかなか大変でした。C部から作り始めたのだけど、左右で一回づつ入れる時に折ってしまって、ダメになってしまった。折れちゃったやつはさすがに、使う気になりませんので。まあちょっとイライラしながら、頑張ってたわけです昨日。まあ、結果的にはまあまあうまくできたんじゃないでしょーか?
コーナー部のアップ写真はねーのかと、いわれそうですが、まだお見せできまっせん。^^;)

今日はそのつづき。パフリングの内側を外周グルッと一周すこし彫り込んで行きます。彫り込んで行こうにも、外周のフラット部分のすぐ内側がまだまだ高くて彫り込みにくい!この高い部分を削りながら、ゆっくりゆっくり外周ぐるっと彫り込みました。やっぱり一日くらいかかった〜。幅広の彫刻刀や丸ノミやミニカンナなど、いろんな道具をつかいました。っというのは、場所場所によって木材繊維方向が違っていたり、杢の有る無しでノミは使いにくかったりで、工夫しないといけないわけです。いやいやいや、やっぱりメープルは硬いですな、今日は手が腫れまくってます。

だいたい仕上がりましたね。まだ裏板作りの序の口ですが。
オカメインコのスエさんが出来上がりを見ていますね。スエさん、出来はどうでしょうか。
『まあ、前より少し上手くなったかもね』
「あの、左下に見える傷みたいのはいずれなくなりますんで。傷というかフラットにした時の名残です。」
『そう。まあ頑張ってね。うちらと遊ぶのも忘れちゃダメよ』

2009年5月15日金曜日

一号機(内型をつくる)

川上昭一郎氏の本を手にしてからまず内型の作製に取り掛かった。この本には内型だけでなく、ネックのテンプレートも付いていて、これだけで十分つくれそうだった。

まずテンプレートを本から切り離し、コピーを取る。当時の会社には大きなコピー機があり、重宝したものです(苦笑)。A3サイズまでコピーできて助かった!それからコピーした紙をきれいに切って、合板に貼り付けた。貼付けてから、ノコで切り落とす計画だった。その時、自分はまだ無知だったので、糊を使ってはってしまった。後になって、これは失敗だったと気づく。

合板は9mmと12mm厚のものを用意。バイオリンの横板の高さは30mmなので、9+12+9=30mmという計画。一枚の9mmと12mmはあらかじめボンドでがっちり貼り付けて、クランプではさんで一晩放置した。ボンドは思ってた以上に強く接着されていた。残り一枚の9mmは後で取り外せるようにネジ止めにする。

3枚あわせてテンプレートアウトラインにあわせて切る。切ったらラインがきれいになるように、ヤスリなどで削る。アウトラインは垂直に、平面になるように・・・とのことなのだが、これ意外に難しい。どんだけヤスリでけずっても平面が出ない!スコヤで平面/垂直を確認するのだけど、どうしても中央あたりがふくらんで平面にはなってくれない・・・。
『まあいいさ、そんな完璧に垂直じゃなくても、きっとなんとかなるさ』と楽観視していたのだが。

その当時、あまり木工道具を持っていなかったので、会社にあった道具をよく借りていた。
夜、酒蔵の中からゴリゴリ、木を削る音が聞こえる。(当時は酒蔵で働いていたので)
(そのうち昼間でも音がしはじめる・・・^^;)イカン、もう仕事どころじゃなくなってきてる。なんだかもう取り憑かれたかのように・・・。
仕事中こんなことやってたら、普通速攻クビだよなぁ^^;) まあ今は時効ということで、ゆるしてくらさい。
曲線を平面に、しかも表裏に対して垂直につくるって、、、思ってる以上に大変じゃあ。
とにもかくにも、なんとかかんとかそれっぽい形になってきた。


あら、よ〜くみると、微妙に左右で形が違う。
というか、コーナーブロックがつくところの位置も高さが違う。
『おかしい。テンプレートは左右対称で、それに従ってやっただけなのに。なんでやねん。
もしかして糊で貼ったときにずれたのか?ああ〜、なんだよ。失敗じゃん。ばかだな〜。
まあ、最初っから完璧な形を求めなくてもいいんだろうけど、でもどうせやるならやっぱりちゃんとしたものにしたいぜ。』

というわけで、あえなく作り直しになるのだった。(前途多難な一号機作成のスタートだ)

2009年5月13日水曜日

バイオリンをつくるきっかけ

そろそろなんで自分がバイオリン作りなぞ始めたのか、いきさつを書いておきたい。
2006年2月のことだった。二台目のMasakichiバイオリンを手に入れ、修理とは言えないけど修理をした頃のことだった。この頃から、猛烈にバイオリンを作ってみたい!という欲求に駆られるようになったのだ。なにゆえ突然?まあもともと子供の頃から木をいじって、何かを作るっていうこと好きだったし、もしかしたらバイオリンもその気になったら作れるんじゃないか...というまあ簡単な理由です。
そしてついでに作ったやつが良い音だったらラッキーだな、と。安く良い楽器を手に入れるには、作るのもアリなんじゃないかと、思ったわけです。
しかし、バイオリンなんて作れるんだろうか?
ただの素人に。作り方さえわからないのに。

とにかくネットでいろいろ情報を探し回った。
いや、けっこういらっしゃるのでした、作ってる方たちって。いろいろと参考にさせてもらう。

『いやぁ、素人でもけっこう作れるもんなんだなぁ。
じゃ、おいらもいっちょやってみるか!』
ということで一大決心(なのか?)したのでした。

まずはとにかく一冊本を読んでみるべし。ということでネットで紹介されていた本を見つけたので購入。
『Violin making practical guide』

イギリスの女性製作者のジュリエットバーカーさんが書いた本。
写真入りで制作の過程をつづってある。製作の過程が追ってあるので、どんな道具をどこで使うか、などヒントになることは多かった。一応最後に内型用のテンプレートがあるので参考になる。当然全編英語だが、そんなに難しくはなかったデス。自分が買った時は5800円くらいしたんだけどなあ。安くなってる・・・

よし、まずは内型をつくるところからか!でも実際にはまだ良く分からないことが多すぎた。そこで、もう一冊本を買った。

日本人製作者の川上昭一郎氏が書いた本。これは日本語でわかりやすい。正確なテンプレート付きなのでまずはこれをコピーして内型作製を始められた。部材もすべての制作課程において正確にサイズを教えてくれている。この本は本当に重宝した。今でもけっこう使うことが多いなあ。

とにかくこれら二冊の本だけで一号機の製作を始めたのでした。
まずは内型をつくるとこからなんですが・・・、これがまたけっこう大変な道のりだったのです。

2009年5月11日月曜日

パフリング①

先週末は、裏板に入れるパフリングとの格闘だった。
GW中に裏板をなんとか形に切出すとこまでは終わってたので、いよいよパフリングだ。
とはいっても、いっつもこのパフリング作りは苦労するし、うまくいかないことが多いので、はっきり言って好きじゃない。(^^;
(好きな人、いるのかな?よっぽど自信のある人は好きなんだろうな。)


まずはパフリングを入れる部分を4mm厚程にするところから。今回は板が厚いので、端を削って平面出すだけでもけっこう大変!ヤスリ、ミニかんな、電動工具など、あらゆるものを駆使して削りだし。
最終的な厚さの仕上げは、厚さをなんども測りながらほとんど一日がかり。

パフリングを入れる順序は、おそらく人によって違うのだけど、ストラドは箱を閉じてからパフを入れていたらしいということを聞いたことがある。
パフリング部のナイフ痕などから分かるらしい。箱を閉じてからパフを入れるというのは(カッサキューザ?というんだっけ?)、箱の音響的な仕上がりを重視する上では優れているようだ。
しかしほとんどの製作者にとっては、パフリング入れは裏板作成時にやってしまった方がはるかに楽で、ミスが少ないのではなかろうか。というわけで自分も先にパフを入れてしまう派。
僕がこれまでに会ってきた製作者達(いわゆるプロという人たち)は、みなこの方法だった。

しかしたかがパフリングとはいえ、この部分が音響に与える影響は無視できないそうですね。
パフを入れる深さや、パフ自体の硬さなど、最終的な音の仕上がりに影響するので本来は箱を閉じてから、が正攻法なのかも。自分もそのうち挑戦はしてみたいと思っているが(思っているだけ、今は)。

さてまずはどこに溝を掘るか、鉛筆でラインをひいてみる。
実物のストラドはほぼエッジから4mm〜3.5mmの位置にパフリングの端があるようだ。
コーナー部は仕上がりがどんな感じになるか、イメージを掴むため描いてみた。ん、ちょっとコーナー長すぎた?
今回表側から型をとったから実物の裏とは若干あわないッス。ちょっとコーナーのRが強めに出てしまったから、コーナーが細長く見えるかも。
ま、最後に微調整するのでその時にどうなるかなあ?


さて、パフリングの溝を掘る段階だが、自分は電動工具を駆使してつくります。
こんな道具を使うと、邪道だとか言われそうだけど。
手彫りよりよっぽど正確な深さに、きれいに早く彫れるのは、(自分にとっては)電動の方だと自分では思う。
便利な道具を使わないで、古い手段のみにこだわるのはもったいないような気がします。もちろん手でやった方が上手くできる人はいるけど、我々は楽しんで作ってるので(時間もないし)、使えるものは何だって使う。
Est-ce-que je me trompe? ... M'en fous!!! (^^ 

しっかし、電動工具を使うったって、それなりに時間はかかる。やっぱり一日がかりです。電動工具の怖いところは、少しの手のぶれが取り返しのつかないミスになるってこと。それは手で溝掘る時でも同じですが、手でやるにしろ機械つかうにしろ、やっぱり気が抜けないってことです。
コーナー部はまだ仕上がってないけど、だいたい全体に溝が掘れた。
ああ、やっぱり肩が凝る作業だ。今回もちょっとミスをしてしまったし。まあ、でも毎回少しづつ上達して来てるようなきはする。
(自覚が事実と一致するとは限らない)

2009年5月8日金曜日

最近はまってるもの

バイオリンとは関係ないが、最近我が家ではまっているものがある。

去年のクリスマスにうちの奥様とフランスに行ったときのこと。
フランスで一番有名なCD・本・ソフトウェア等を売っている
『fnac』(フナック)という店(日本でいえばヨドバシ+書店的な店)に行ったときに面白そうなゲームを見つけた。

それは“Guitar Hero World Tour(Band Set)”だった。
最初は、日本で一時期流行ったギターフリークス的なゲームかと思って敬遠したのだけど(フリークスはゲーセンとかでみるマニアOnlyっぽいイメージがある)
このバンドセットにはドラムとマイクも同梱されてて、ちょっとバンド気分を味わえるのだ。
ほしー!!
200ユーロくらいだったか。

さすがにドラム入りのばかでかいやつを買って日本に帰るわけにいかないので、日本で買うことにした。
しかし、日本では残念ながらまだWorldTourは発売されてなかった!


しかたなくその前作“Legend Of The Rock”を買うことに。ついでに二人でPlayしたいので、“Aerosmith”バージョンも買う。こっちの方がギターデザインはかっこいい。


はまりましたとも。ええ。

曲は知らないやつが多かったけど、今はどれもかなり好き。
Wii版なので、コントローラーは無線だし。
普段ゲームに興味がないうちの奥様もこのゲームは本当に好きみたい。
二人PLAYできるっていう点でいいですな、このゲームは。
僕の場合、4指(小指)のトレーニングにもなってるような気が...

あー、はやく次のやつ発売してくれませんかねー。
ドラムを叩きたいんですよ、ぼかぁ。
たのみますよ、アクティビジョンさん。日本でもドラムセットをよろしく。

2009年5月7日木曜日

表板も準備!(Kruse)

せっかく裏板に手をかけ始めたので、もうついでなので、というか後でやるのが憂鬱なので表板も準備することに。裏板は今回一枚板なので接ぐという作業がなくて楽だったのだけど、本来2枚板の場合なんかは当然裏板もやる作業。で、表板で何をするかというと、、、
まっぷたつに切るとこから始まってしまうのです。まあ通常こういう作業はあまりないとは思うんですけど、今回は海外の材料屋さんから買ったもので、表板材にまったく切り込みがなかったため。通常裏板材も表板材も真ん中に切り込みがあって、これを2ピースに分けるのは至極簡単なこと。
でも、たまにまったく切れ目がない場合があったりする。海外の材料屋は手抜き屋がけっこう多いのか?前回SVSトーンウッズで買った裏板も切り込みがなかった。切るだけとはいっても、こいつが予想以上に時間がかかる。繊維方向だし、スプルースだし、簡単だべえ!とかいうのは甘いのだ。こんな手挽きノコでまっすぐちゃんと切ろうとすると、かなり大変なのだ。
つーか、切り込みぐらい入れとけよ!機械でチャチャッとやりゃ一瞬だろ。もう。
まあ前回の裏板まっぷたつ作業よりは楽だったけどさ。

で、切ったら接ぎ作業ですけど。結局今回切れ目を入れたやつは使ってないし。なぜかというと、やはり切り込みが入ってないことで乾燥が十分進んでいないことがうかがえた。切ってる最中にまだ若いスプルースのにおいがした。一応むかし大学で木の勉強してたんで、松材とか杉材の乾燥してない材のにおい、わかるんですヨ。
この材は一応2004年カットのアベーテマスキオちゅうことだったけど、どうも乾燥が甘い感じがした。

で、結局今回は前から持っていた表板材を使うことに決めた。この材正確には何年寝てるのか不明なのだけど、10年近くはいってそうな?感じ。しかし確証はない。
できればアベーテマスキオを使ってみたかったのだけど、今回は見送って今後の楽しみとしよう。

裏板は、箱の外側になる側もカンナを粗くかけて高さをだしておいた。(カンナ、かなり粗めにかけた後です。今回はだいたい高さを合わせただけ。)

2009年5月6日水曜日

年に一回のオーケストラ!

今レッスンで通っている音楽学校(一応学校というらしい)では、素晴らしいことに年に一回生徒みんなで集まってオーケストラを結成して、コンサートを開いている。

去年は学校側の都合で開催されなかったのだけど、二年前には不詳ながら自分も参加させてもらった。その時はベートーベンの交響曲7番をやった。ドラマ『のだめカンタービレ』の主題曲でちょうど当時有名になった曲でしたね。ベト7とブラームスの大学祝典序曲、威風堂々をやったのだけど、その時の経験は今でもすごく役に立っていると、思う。

普通アマオケや大学オケなんかに参加していない限り、なかなか自分のような一般アマチュアプレーヤーにオケに参加する機会というのはない。それに一人でただだらだらと練習するのと、他の人、他の多くの楽器とともに演奏するというのは、かな〜りの経験値の差であると思う。

そんなわけで、今通っているところには本当に感謝している。でも参加費は当然発生しますヨ。それでもありがたい経験です。

で、今年もその生徒オケ(もちろん中には生徒で編成できない楽器もあるのでエキストラの方もいる)の開催が近づいて来た。今年は7月にやるらしい。曲目は関係なしに、これには毎回参加することに決めているので今年も参加します。今回の曲目は、
フィガロの結婚、アルルの女、パイレーツオブカリビアン、スターウオーズ
とクラシック/モダンの組み合わせ。

なので、ここのところオケでやる曲ばかり練習しているのだけど、中でもスターウオーズ!これちょっと厳しすぎるんでないの?っていうところがそちこちに出てくる。先生は『適当に、弾いてる風にみえればいいから』といってくれるけど、やるからにはやっぱりちゃんと弾きたい。で、一生懸命ゆっくり練習をするが、やっぱり原曲のテンポになると全くわけが分からないところがある。う〜ん、ひでえなあ、と自分で思ったり(苦笑)。でも、そいう部分てけっこう管楽器にかき消されてて弦は全然聞こえなかったりする。ある意味ラッキーなのか?

ま、もともとこの曲ってやっぱり金管がメインで気持ちよく吹いてる曲なので、Vnとかはオマケ的な感じがしなくもない。(苦笑)月曜日に弦だけのリハーサルがあった。やっぱ管がないと物足りないですな。しかもリハ後でもいまだによく分からない部分多し。7月までに間に合うのか!頑張ります。

2009年5月5日火曜日

裏板!(Kruse)

昨日さんざん裏板をながめて、どこをどうやって使ってやろうかと思案した結果、ようやく決心がつく。

今回の板は年輪の走り方がかなりイレギュラーで、普通の取り方をするとおそらく奇麗な杢部分を相当捨てなければならない。う〜ん、それははっきりいって惜しい。板の端の方にある杢を上手く使いたい。年輪の走り方は、今回はキルテッドカット材だし、場所場所によって走る方向が変わるのは多少しょうがないのではないか...と、勝手に決める。年輪はイレギュラーでも、杢の出方はかなり個性的になるだろうと、予測。

横板から2mm位置にアウトラインをひきます。このアウトラインを描くときに、これが大変重宝します。クレモナの菊田さんが紹介なさっている方法で、2mmクンというものです。菊田さん、使わせていただいてます。

さっそく、切ります。切るとはいっても、3cm近いメイプルは甘く見ちゃいけないのです。こいつがとんでもなく硬い。普通の木材とは比べ物にならない。普通はバンドソーっちゅう幅のふっとい電ノコで切るもんですが、、、
うちの電ノコくんは、かなり使えるやつでして。かなり硬く厚い材でも、3cm以内ならけっこう切ってしまうんです。安かったのにすごいやつだ(バンドソーじゃないですヨ。普通の電ノコ)。

裏板が切り出せた!どうでしょう。ちょっと形になった時のイメージが持てるようになったと思います。ボトムの部分の炎のような杢を是非とも入れたかったんですね。上の方はあまり派手な杢ではないけど、木星の表面の模様のようです。こいつの名前は”Le Jupiter”か?それとも"La Protuberance"になるか?(^^;なまえだけは既にかっこいいです。

2009年5月4日月曜日

ライニング仕上げ(Kruse)

さてさて、GW連休なのに、あまり進んでいませんが、四号機の進捗を。
前回ライニングを貼付けたところで終わりましたが、クランプ達をはずしてみるとこんな感じでした。パッと見、問題なさそう。
横板からはみ出してる部分を、カンナで削ってやりました。

ライニングは貼付けたままだと、長方形の板が横板にくっついてるだけの状態です。これを内側を少し削ってやってなだらかに横板から立ち上がるような形に変えてやります。
言葉ではなかなか説明しづらいですな。
たまに、このライニングの処理がちゃんとされていないバイオリンに会うことがあります。つまり、ライニング貼ったまま状態で箱を閉じてしまうんですね。なんとも手抜きなメーカーがいるもんですが、意外とこの作業めんどくさいんですね。だから横着しちゃうってのもあるんでしょう。
実際自分の最初に手に入れたUSAバイオリンは、ライニングそのまま状態でした。

ライニング内側を処理してやると、こんな感じになりますかね。でも勢い余って、意外に横板まで削ってしまいがちなので、けっこう難しい作業です、いつも。

さてさて、いよいよ裏板に取りかかる段階に来ましたよ。こっからは、けっこう楽しいところです。今回の裏板材はこんな材料なので、どこを使ってやろうかといろいろ思案してます。つーか、このいろいろ思いめぐらしてる時が一番楽しいのかも。どんな裏板に仕上がるだろうかと、考えるととめどない。

犬の方はというと、ようやくだんだん言うこと聞くようになってきました。まだ噛み付きますが。しかし、いつかTVでみた天罰法を駆使したところ、効果テキメン!ありがとう、天罰トレーナーさん。

2009年5月1日金曜日

フレブル三日目

ロペットがうちに来て、三日経ちました。
まだ赤ん坊なのでなんでも噛みたいのは分かるんだけど、手足をガブガブ四六時中やられるのは勘弁してほしいもんです。
注意ばっかりしてると、彼もイライラするのか反抗的態度をとります。

あ〜あ、写真じゃかわいいね〜。ちきしょう。
この破壊王め。
まあそれでもかわいいですよ、もちろん。

今日はあまりに悪さと無駄吠えがひどいので、注意しまくってたら非常に反抗的になって
手がつけられなくなってしまいました。
ちょっと勘が働いて、外の空気を一緒に吸いに行ったら落ち着いてくれてようやく前のかわいらしい態度に...
まあ、犬の方だって四六時中怒られたんじゃ気分悪くなるよね。
でも、とりあえず気分転換の仕方を気付いてよかった。
(まだワクチン前なので散歩にはいけないのですよ)

Kruse製作 ライニング

三日前に小さな破壊王がきてから全然更新できていない。
理由は簡単です。
彼はかなり手がかかるやつだから。
なにしろ噛むし、いたずらするし、注意してもまた同じことするし。
フレブルは頭良いはずなんですけどねー、どうにも言うこと聞いてくれないッス。
どなたかフレブルのしつけ方、こつを教えてくれませんかねー。

ところで、四作目の進捗だが、前回はライニングの準備までだった。
今回は、これを貼付けるとこまでだ。
横板同様、アイロンで熱しながら曲げる。
これがね、スプルースだから簡単だろうとなめてかかってると、ボキっとなるんですな。
実際今回も一本だめになっちゃったし。慎重にゆっくりやるしかないんですな。

曲げたら、長さを合わせるんだけど、
そう簡単じゃないんですな。ブロックからブロックまで完全に隙間なくつなげなくては意味がない。
ジャストミートな長さ出すのって、けっこう大変です。
合わせちゃ削って、合わせちゃ削って、、、

C部のブロックには前回埋め込み用の溝を作っときました。
これにぴったり合うように、これも長さを完全にあわせたい。

全部のライニングをニカワでつけまして、
またクランプの嵐になっとります。
たかだかライニングを曲げてつけるだけですが、長さを完全にあわせようとしてるため結構な時間かかってます。結局一日近く費やしてるし。

ああ、早くLopetteが一人前の犬になってくれると良いんですが。
最近じゃ連休なのに寝不足。