しかし、肝心な弾き方ってのがいまいちわからない。
『だいたい弓の持ち方ってのが、わからんぜ。
中指と親指でつまむようにして、あとの指はそえるように...?
こんなんでいいのか?』
バイオリンセットとあわせて買った、初心者用の本をみながら見よう見まねでの練習だった。
この本、みためは簡単過ぎそうでバカにしそうだが、実は写真などたくさん入っていて、初めての人間にはかなり役に立った。
A線とE線を使って"ちょうちょ”や“メリーさんの羊”なんかを弾いてみた。
他人が聞いたらどうなのか知らないけど、とりあえず本人的には曲に聞こえる。
『ほうほう、こんなもんか。
でも小学生の笛よりお粗末だなあ。』
エレキセットを購入して、一ヶ月程度はこんな調子で遊んでいた。
当時のそうえもんは、時々宿直の仕事があって酒蔵に寝泊まりすることがあった。
そんな時は、バイオリンを弾くチャンスだった。
エレキとはいえ、やはりアパートではアンプで音を出すのは気がひけていた。
でも夜の蔵なら、誰もいない!しかもエコーばっちり!!
へたっぴなりに、エコー完備の酒蔵ではけっこう上手に聞こえたのだった。
(でも、冬の蔵はアホみたいに寒い。ストーブのある休憩室以外では
指が5分ともたないのですヨ)
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