2009年7月13日月曜日

Rinaldiネック修理1(ネックを外す)

Rinaldiは来た当初はあまり気にもしてなかったのだけど、若干弦高が高かったです。駒の高さはほぼ基準値になっているようなので、ネックが下がっていると考えるのが順当でした。指板端の弦高はG線で7mm、E線で5mm近い。これはネックを入れ直すしかないのでした。弦楽器工房に持ち込んで修理を依頼すると、ネック入れ直しはおそらく15000円はする。う〜ん、もったいない。オリーブが買えちゃう金額だし。これは、いっちょ自分でやってみるか、ということでまた新たな修理に挑戦するのでした。

もちろんネックを外して、入れ直すということはそれまでにしたことはなかったです。ただ何台か自分でバヨを作ってきてネック入れの面倒くささはよく分かっている、つもり(笑)。
今回はさすがに大事にしている楽器なので、マサキチの時よりもさらに慎重にことを進めました。いつも時間がかかるのはニカワをふやかして接着面をゆるくすることなのだけど、ネックは接合部が非常に限られている。

『横板&ブロックとネックの側面の接着がネックの固定に大きく寄与しているのだ』、とかつて修理の師匠に教えられたことがあります。その言葉を思い出しながら時間をかけながら接合部にセパレートナイフを入れていく。一番接着面積の大きいネック端とアッパーブロックの中は意外とネックの固定には寄与していない、といいます。というかこの状態(ネック下がり)ではこの部分は外れてしまっていることが多い。(しかしネックを接着する上では、この部分は非常に大事。この部分の面出しがいい加減で外れやすいとネック下がりが発生しやすい)言葉ではなかなか説明は難しいです。

ネック側面の接着を丁寧にはがし、裏板との接着も外すと、簡単にネックは取れたです。

(首をとられたRinaldi)

やはりブロックとの接着面が剥がれていたようですね。アッパーブロック側をみると、面出しがいい加減にされている。それと、ちゃんと面が出ていないところへニカワを流し込んでどうにかしようとしたらしい前の修理の様子が伺える。あと前回の修理の時に横板の一部が欠けたようです。あまり丁寧な修理とはいえないですね。

(ボディ側。左横板の下部がちょっととれてます。これは今回のネック外しでついたのではないです)

(ネック側。古いニカワが固化してます。ボディとちゃんとぴったり着いていなかったことを物語っています。)

今回はちゃんと面を出して、修理してやるぞ、と。

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