2009年7月27日月曜日

秘密を読む

先日定額給付金で買った『ストラディバリの秘密』、徐々にですが読んでますよ。 やや分かりにくい英語表現の部分があったり(英語力が足りなかったり)して、ちょと意味不明なところもありますが読んでて、なるほど、と思うところはちらほらあります。 裏板の作製の部分で気になることがいくつか。

『現在の製作者のほとんどがやっているのだが、裏板の最も厚さのある部分をCバウツ中央ではなく魂柱付近につけている。これは私から言わせれば、重大なエラーである。』
という指摘があります。確かにストラドの最大板厚は楽器中央にあることが多いけど、それも楽器によって様々ある様子。 中央が4.5mmあるのもあれば、4mmを切っていて端の方がそこより厚いものもあります。僕が今製作している1721“Kruse”は中心が3.7mmでそのわきに4.4mmがあります。

これを完全コピーすることには意味が無いので、もちろん僕のは完全に同じではありま せん。魂柱付近を厚くすることは、製作者個々の考え方もあるでしょうが、絶対だめなのでしょうかね?著者の指摘には具体的な根拠が加えられてないので、何ともいえないところです。
著者の言うことも分かるのだけど、やはり一概には言えないことなのではないでしょうか。本に記載されているのはあくまで中心4.5mmのかなりプレーンな感じの例しかないし、左右完全対称になっている様子。 ストラドの厚さ配分パターンて、それだけなのか?
もちろん役に立ちそうなこともいくつかありましたよ。たとえば、F孔の設計のしかたとか、ストラドがどのようにFの配置を決めていたかがジオメトリカルに説明されていて、ほほぉ−っと思いました。

(それにしてもクレモネーゼの姿はうつくしいですねえ)

これから表板の作製にとりかかるので、表板のセクションをもっとよく読んでおこうと思います。できればもうちょっと早く読んでおけばよかったかなぁ?裏板やる前に。 次回やる時は、裏と表同時製作して互いに合わせられるように製作を進めようと計画中。(て、もう次のこと考えてんのかい)

レンジでチン

ふじのバイオリン料理教室へようこそ。今日の食材はバイオリンの裏板です。


いやいや冗談です、調理してるわけではありません。
(^^;) 必殺『電子レンジ調理法』を少しだけ実行。 我が家の電子レンジはなかなかの大きさで、裏板ぐらい余裕ではいります。
といっても、やはり電子レンジかけすぎは問題です。一枚板とはいえ、一応パフ リング部分にはニカワが入っているので、これが沸騰するほど熱くしては台無しです。性格が慎重派(ビビリか?)なので、木になるべく優しく実行しました。

佐々木明氏のHPに電子レンジ処理法が詳しくのっています。昔何度も読ませてもらい、勉強しました。(でも何ヶ月かすると、内容はけっこう忘れてしまうのですが) 『けして材料から樹脂が溶け出すような温度にしないこと』とありました。
それは、ごく当たり前のことですが、ちゃんと木材組織学・化学の内容にのっといていると思います。 木材は主成分が糖質であるセルロースから構成されていることはよく知られています。木材の主要3成分としてセルロースの他、ヘミセルロース、リグニンがあります。

リグニンはセルロースの繊維同士を強固に結び付ける、いわば接着剤の役割。鉄筋コンクリートでいえば、鉄筋がセルロース、コンクリートがリグニンとよく いわれます。樹脂が溶け出す、というのはこのリグニンやヘミセルが溶け出すことを指しているのでしょう。 リグニンが溶け出すというのは、建物でいえばコンクリートが溶けるということなので、 構造の崩壊を意味します。

と、ちょっと昔勉強したことを、思い出しがてら書いてみました。 知ってる方は別によみとばしてくださいな。
いずれにしても、電子レンジで加熱するのは木材組織内部のセルロース壁から結合水を切り離し、結果含水率を下げようという目的があるからです。 自然乾燥ではこの結合水が木材から出て行くのには、材料の大きさ・質によりますが、相当の時間を要します。結合水は一度セルロースから切り離されると、もう戻ることは ない、つまりつまり経時的に徐々に乾燥が進んでいくわけです。自然乾燥ではかなり時間がかかることは、皆さんご存知の通りですね。電子レンジでは、マイクロ波が木材内部の結合水および自由水に直接作用して、 木材からの脱却を促進するので効果的と言われていますね。 で、まあどれぐらい効果的なんだと、言われると、実際どれくらいあるのかは僕はまだ断言できません。
板の重量が数g減ったから万歳!、と思っていると翌日には戻っていたりします。部屋の湿度管理がすごく大事なのですが、管理をしていても戻りはあります。 ある程度アッチッチ、となるほど加熱しないと効果は薄いように思います。1号機、3号機作成時にも試しましたが、いつももとに戻るんですよねえ。今回はちと気合いを入れて調理します。

ということで昨日115.6gだった裏板くん、加熱調理によって108.6gまで軽くなりました。
この時のタップトーンが、M5:F、M2:G、M1:G#まであがりました。たたくと、軽く、残響がある、響きそうな音です。
でも一日経ったら114.5gに戻りました。いやあ、ここのところかなり湿度高いですしね、戻ります。それでも1gくらい結合水を減らせたのではないでしょうか。であれば、効果はありです。

裏板とたわむれる

週末は久しぶりに4号機とたわむれる時間が少しだけできました。そこでしばらくほったらかされていた裏板の調整を少しだけ。
以前粗削りをした段階までで、重量は130gくらいでしたが(ちょっとうろ覚えです)、ミニカンナで粗く削ったままだったので、スクレーパーでならしながら進めました。

全体を軽くならしただけで、120gまで減少。けっこう思ったよりもスクレーパーだけでも削ってます。ちょっと心配になってきたので、そろそろ音を確認しようということでタップしてみる。
モード5:D
モード2:C
モード1:F
えーと、モード5はだいぶいい感じなので、ここまでにしておこう。
モード2はまだ少し高いくらいだけど、こんなもんかな?
というか、タップトーンはどれくらいが正しく好ましい、というのがあまりはっきりしてなくて困ります。ストローベルの本によると、
M5:F
M2:B
M1:A
彼のはけっこう5が高い。理想的にはM5:C、M2:B、M1:Aと記述してます。それでもこのパターンでは大丈夫。といっています。(このパターンとは、たぶんビジャッキのモデルだと思います)

タップトーン、奥が深いです。そしてバイオリン作りの味噌でもあるので、みなさんなかなか情報は出してくれません。久我一夫氏のHPをみるといろいろ参考になりますが、肝心なことは教えてはくれません。あとは本によっても言うことがけっこう違っていたり。
そうそう、『ストラドの秘密』を読んでいますが、裏板のタップトーンは出ていません。組んだ後の音が(おそらくM5で)Bくらいになるとだけは書いてましたが。


モード5はその日ちょうど良いと思っていたのが、翌日測ってみるとCくらいになっていた。う〜ん、一日でそんなに落ちるものだっけ?ま、実際Cでも大丈夫だとは思います。あとは渕周りがまだだいぶ厚いので、スクレーパーで削っていった。モード2はB、モード1はFくらいまで変化。
ちょっとモード1が落ちすぎたかな、、、という気がしなくもありませんが、とりあえずここまで。重量は117gまで減りました。希望から言うと、まだ重い。100gくらいまで減らせられれば良かったのですが、木がまだちょっと若いというのもあるのかもしれませんね。軽くて十分な強度を持たせられる材料は、やはり20〜30年ものくらいにならないと難しいのかな。そういう材料はまた、どえらく値段がはりますね。悩みどころです。

2009年7月21日火曜日

演奏会で思うところ

先日の演奏会のビデオをみてて感じたことですが、演奏中ボクの体はあまり動いてないですね。もっと大胆に体を動かしてダイナミズムを演出しても良かったなあ〜と反省。
『お客さんは耳でももちろん聞くけど、視覚的に得られた情報でもとても音楽を感じる。だからもっと体を動かしてアピールしましょう。』と指揮者さんに言われていたので、よし頑張ろう、と思っていたのです。

しかし実際にフィガロの動画を見てみると、本人が思っているほど体は動いてませんでした。ま、最初だし緊張してたのもありますが。(^^;)




今回のは『アルルの女』第1楽章です。フィガロに比べると、ちょっと体の硬さはとれて少し動いてますね。でもボクは裏なので、あまり見えません。(笑)えっと、ちなみに1stVnの4プルです。
やっぱり体の動きもそれなりにみせないと、実際あいつ弾いてんの?と思われますね。

コンミスのS先生ほどはなかなか体動きませんが、(あまり無理すると演奏自体がひどくなりそうだし(汗))次からはもっと頑張ってみよう。一人で弾く時も、魅せるように!(笑)

2009年7月20日月曜日

おとといは演奏会

演奏会本番が終わりました。
当日は、僕らが予想してないほどのお客さんの入りで、客席はほぼ満席でした。うれしかったですね〜。ほとんどが関係者の知り合いだろうとはいえ、やはりたくさん来てくれると嬉しいものです。

しょっぱなが、フィガロの結婚で、ボクは1stの表。ちょっと緊張します。でもさすがに二年前ほどの緊張はせず、客席を見る余裕もありました。でもあとでビデオをみてみると、やっぱりちょっと腕の動きが硬いですね〜。自分でも分かっている欠点ですが、緊張したり考え事をしていると、手首が硬くなるというのがあります。やっぱりこれは直したいなあ。



ビデオカメラが直前になって壊れてしまい、当日は仕方なくデジカメのムービーで撮影しました。なので、音質・画質ともそうとう粗いのはお許しを。加えて撮影がカミさんなので、変な所で撮影終わってますが、ま、ご愛嬌です。(^^)
ボクのアップ部分が多いですね。すいません、つたないもの見せちゃって。

2曲目はバッハのドッペルコンチェルト。あまりに曲数が多いので、主催者側で当日第2楽章がカットになりました。まあねぇ、曲数も人の出入りも多すぎですから、しょうがないかな。3曲目は動物の謝肉祭。これもまた、無駄に長いというか、二台もピアノ使うなよっていうか、セッティングだけで何分ロスしてるのだろうか?ボクは2・3曲目は出ないで、袖で見てました。

4曲目でやっと出番。アルルの女第2番です。この曲は好きだし、なんというかけっこうリラックスして弾けるので、緊張もせずいい感じでした。終楽章の盛り上がりは気持ちよかったです。お客さんの評判も上々。客席前列の子供はシンバルと太鼓の音がはげしいので耳を塞いでいるのが見えました(笑)

ここで第一部終了。第二部はポピュラー部門で、子供の演奏とかサックスの演奏とか、いろいろありましたが、多いのでここでは割愛します。やはり盛り上がったのはパイレーツオブカリビアンとスターウオーズでした。まあどちらもかなり激しいし、曲も早いので、今回の演奏はかなり濃いめの内容でした。ていうか濃すぎ?(笑)
でもやっぱり後で聞くと、お客さん達はこの二曲を一番楽しんだようです。よかった〜。でもこの二曲、結局デジカメのメモリが足りなくて撮影できなかったそうで、残念〜。誰か他に撮影してた人いないかな。データが手に入ったら、公開したいですね。

演奏会終わっても、しばらく音楽が頭に残っていて、夜寝付けませんでした。脳はまだ興奮状態だったようです。でもやっと、一つやらなきゃいけないことを終えた感じです!これで次は製作にももっと時間をかけられる!かな?

2009年7月17日金曜日

オケ本番

明日はいよいよ本番
いやぁ本番まで日が経つのが早かったですねぇ。4月に最初の全体練習をしてから、もう3ヶ月も経つのです。
明日はいよいよ本番。今回は3号機カノン砲モデルで臨みます。
今3号機に張っているG・D線はオリーブなのですが、D線は伸び伸びになってます。
特にフィンガリングをするエリアは伸びまくって銀線がとれてガット部分が見えてます。
『D線よ、お前もか!』
A線はとっくの昔に切れていますが。(^^;)おぉ〜頼むよ〜、明日一日、頑張って。
オリーブは音色は素晴らしいのだけど、いかんせん吸湿が激しくて、A線は2・3ヶ月しかもちません。Aは今オブリガートを張ってます。オリーブもありますが、本番でチューニング変わるのはいやですので・・・いたしかたなく。

思えば、弓毛も交換しようしよう、と思いながらここまで来てしまいました。
この前交換したの、、、2年前のコンサートの時です(爆)。
どんだけ横着してるんだか!
弓毛は持っていますが、自分じゃ交換やりたくないので(横着者)、業者に頼みますが、なかなか機会も無かったのでここまでズルズル来てしまいました。
コンサト終わったら自分で交換してみようかな。

いや、その前に4号機の裏板調整が先か。
最近ぜんぜん進んでないですね〜。

2009年7月15日水曜日

コンサート本番まぢか

今週の土曜日はいよいよオケのコンサート本番日です。この間のリハは実際のホールで行いました。これまで練習は小さめの練習室でやってきましたが、いきなりホールに出ると音響がまったく違っておどろきました。2nd Vnではこれまで聞こえていた周りの音がほとんど聞こえない。逆に自分の音がよ~く聞こえてしまう。あ、音外した、というのが自分でよくわかってしまう。自分の音が際立って聞こえるので、ちょっとおっかなびっくり弾いてしまう。周りの人もそうなのかな?

1st Vnでは周りの音も少し聞こえます。音響的に、心理的には1stのほうがマシかな?
2年前にもホールで弾いているのに、その感覚はすっかり忘れてしまってました。こんなに違うんだっけ?というくらい、ちょっと不安になりました。ま、でもまだもう一回ゲネプロがあるのでそれまでに修正できるところは修正して、本番に臨みます。本番では中学生のとなりです。いい年した大人が、子供に混じって一生懸命ひいてる姿って、どう映るのでしょうか。(^^;)

でも演奏者側は大真面目です。お客さんに楽しんでもらえれば、そして何より自分たちが楽しめればそれでいいのでしょうね。
(ちなみにその中学生のお父さんはビオラ、お母さんはオーボエで参加。家族そろって一緒のオケに参加、いいですね~。)

2009年7月14日火曜日

Rinaldiネック修理2

前回、ネックを外すところまでなんとかうまく行きました。問題はここから。まずネック側の端部についた余計なニカワをすべて削ぎ落とす。ついでにこちら側の平面が出ているかチェック。ネック側はほぼ平面がでているようですが、若干歪んでいるようでした。次にボディ側アッパーブロック内の余計な固化したニカワも取り除く。こちらは平面になっておらず湾曲している様子。これじゃ面同士がぴたっとしないです。当然ニカワは面どうしを繋げず、隙間に入り込んで固化するだけ。ニカワの接着機構のことはすみやさんのHPにくわしくのっていたと思います。

とは言っても自分もこの部分の平面だしはあまり好きではないですし(^^;。平のみですきっとした平面を出せるのは、やはりそれなりの経験と技術を持った人間でしょう。僕の親方は平面にはいつもうるさい人でした。僕自身まだまだ研鑚が足りませんが、少しでもあのレベルに近づくべく・・・頑張ってはみる。

とりあえずネックを仮止めしたりして、角度を確認して、よさそうなのでニカワで接着。
あ〜これでやっとまともに弾けるなぁ。(^^)次の日まで我慢だ。


翌日。
ニカワかわいたかなー?クランプ類をはずす。おっ、いいねえ。ちゃんとついてるよ。
しかし弦を張ってみると、まだ弦高が高いことに気付く。おかしいなぁ。ちゃんと角度調整したんだけど、、、。
『これでよし!』と思って接着しても、実際には固定時に微妙に角度が変わってしまったりすることがある。ネックの角度はこれが難しい。とにかくまたネックを入れ直さなくてはならない。ここからは前日の繰り返しだ。再度ネック取り外し。ニカワ除去。ブロック側平面出し。再度ネック接着。


さすがに2回目は角度に注意して、、、。目標の角度からずれないようにいろいろと試してみました。なかなかコレだ、という固定法がなくて苦肉の策としてスプールクランプを数カ所とめて、そこに当て木をしてF字クランプではさむ、というちょっとイレギュラーな方法で止めました。スプールクランプを使うのは、F字クランプが滑って外れないようにと、あとコーナー部に極端に力をかけないためですが、、、あまりスマートではないですね(笑)
ま、それでも自分で修理できると、けっこう助かります。でも自分でやったろう、という時はあくまで自己責任になりますのでご注意を。

2009年7月13日月曜日

Rinaldiネック修理1(ネックを外す)

Rinaldiは来た当初はあまり気にもしてなかったのだけど、若干弦高が高かったです。駒の高さはほぼ基準値になっているようなので、ネックが下がっていると考えるのが順当でした。指板端の弦高はG線で7mm、E線で5mm近い。これはネックを入れ直すしかないのでした。弦楽器工房に持ち込んで修理を依頼すると、ネック入れ直しはおそらく15000円はする。う〜ん、もったいない。オリーブが買えちゃう金額だし。これは、いっちょ自分でやってみるか、ということでまた新たな修理に挑戦するのでした。

もちろんネックを外して、入れ直すということはそれまでにしたことはなかったです。ただ何台か自分でバヨを作ってきてネック入れの面倒くささはよく分かっている、つもり(笑)。
今回はさすがに大事にしている楽器なので、マサキチの時よりもさらに慎重にことを進めました。いつも時間がかかるのはニカワをふやかして接着面をゆるくすることなのだけど、ネックは接合部が非常に限られている。

『横板&ブロックとネックの側面の接着がネックの固定に大きく寄与しているのだ』、とかつて修理の師匠に教えられたことがあります。その言葉を思い出しながら時間をかけながら接合部にセパレートナイフを入れていく。一番接着面積の大きいネック端とアッパーブロックの中は意外とネックの固定には寄与していない、といいます。というかこの状態(ネック下がり)ではこの部分は外れてしまっていることが多い。(しかしネックを接着する上では、この部分は非常に大事。この部分の面出しがいい加減で外れやすいとネック下がりが発生しやすい)言葉ではなかなか説明は難しいです。

ネック側面の接着を丁寧にはがし、裏板との接着も外すと、簡単にネックは取れたです。

(首をとられたRinaldi)

やはりブロックとの接着面が剥がれていたようですね。アッパーブロック側をみると、面出しがいい加減にされている。それと、ちゃんと面が出ていないところへニカワを流し込んでどうにかしようとしたらしい前の修理の様子が伺える。あと前回の修理の時に横板の一部が欠けたようです。あまり丁寧な修理とはいえないですね。

(ボディ側。左横板の下部がちょっととれてます。これは今回のネック外しでついたのではないです)

(ネック側。古いニカワが固化してます。ボディとちゃんとぴったり着いていなかったことを物語っています。)

今回はちゃんと面を出して、修理してやるぞ、と。

2009年7月12日日曜日

海外オークション3

海外のオークションは日本のもの以上に難しいところが多くて、気をつけなくちゃいけない。。。んだけど、懲りずに手を出してしまう男がいた。それはワタクシ。

なぜか日本で出品されているものよりも、魅力的な商品が多いような気がするのですが・・・。それはやはりバイオリンが作られたのは欧州が本場ということがあるからでしょうか。普通に考えて、一般のお宅に眠る楽器が実はとても価値あるものだったという可能性が高い、ということはあるのかもしれない。が、同時にそれにつけこんだ詐欺も横行しているので、著名な製作者の楽器には特に注意が必要でしょうね。
アメリカのネットオークションが規模では最大でしょう。old, vintageのものがこれでもかというくらい出品されている。中にはあきらかにあやしいだろうというものもたくさん。Testoreとか、Ruggieriとか本物だったらこんなとこにでてこないだろう(笑)というレベルのものも。ただお宝ゲット目当てで挑戦してみるなら、それもそれでありなのかもしれませんね〜。当たったらそれはラッキーでしょうね。(^^)

僕は2年前にフランスから入手したMarengoRomanusRinaldiのバイオリンがとても気に入っています。イタリアの製作者で19世紀後半と20世紀初頭に活躍した製作者(アルバニア系イタリア人?とどこかで読んだことがある)らしい。

(手前のがRinaldi。奥は自作3号機)

もちろん本物であれば100万前後で取り引きされるものであろうけど、真贋は特に気にせず使っています。本物だ〜偽物だ〜、とはじめると、そればかりに目が行って楽器そのものをちゃんと評価していないような気がするので・・・。買い値は10万ちょっとだったので、十分満足してマス。ただ海外品で10万以上を送金するのはやはりなかなか勇気のいることです。一定の危険は覚悟の上で挑戦てことですね。
このRinaldiのバイオリンは本当にすばらしい。低音から高音まで全くスムーズに音がつながる。特にG線の甘くて太い音はやはりマサキチバイオリンでは感じられなかったレベルのものだ。高音は鋭くささるような音質はなく、耳にやさしくひびくなめらかな響きだ。


あとはまあ、演奏者の技術さえなんとかなれば、いうことなしなのですがねぇ。( ̄ー ̄)「

2009年7月11日土曜日

オケ練習日7/11

今日は約束通りオケ練習日でした。ていうか、明日もなんですが、週末やすみがありやせん。
本番はもう来週、明日が最後の通し練習となります。
今日はスターウオーズ、パイレーツ、アルル、他1曲でした。今日はまあ短いんですが、明日はほぼ全曲やるということで、う〜ん、おわんのかいな?
にしても、スターウオーズ・・・。ジョンウィリアムスおそるべしです。映画であれだけ知っている曲だけど、こんなに難しいものだとはね。明日もがんばろう。

海外オークション2

2台買ったうちの一台は、ConservatoryViolinとヘッドの裏側に書いてあるもの。なかなか雰囲気があって素敵だ。後で調べたところ、ドイツの量産もののようだ。しかし表板のクラックの修理歴などがあるので、以前の持ち主はそれなりに大事にしていたのでは?とうかがわせるモノだ。


二台目は、、、きたない。なんだこりゃ。写真で見た時はもっときれいな印象だったけど?やはりネットはそういう細かいところは直接見れないから、つらいものがありますね〜。なんか楽器全体に青カビみたいの付着してますが。(^^;)中をのぞいて見ると、魂柱がとんでもない位置にたっている。楽器のほぼ中央だ。う〜ん、こんなのは今までに見たことがないですぞ。
とりあえずこの長さと、この位置はいただけないので魂柱とり出す。魂柱もなんか青かび生えてるんですけど〜。しんじられない。どんな環境で保存されていたんだ?湿度が日本に負けてねーぜ、という感じがします。

とりあえず2台ともフィッティングが全く無いので、応急でセットアップをして音出しをしてみる。一台目。とりあえず、弦は使いまわしのドミナントで。付いてきたペグは半分以上死に掛けてるけど、なんとか使えるか?とにかくまずは音だ。
いきますよ〜。あれ?・・・なんか音、小さいですね。ボディは古くてよく響きそうなツラしてるくせに、なんですかこの音は。
あまり普段音のことなんてわからないカミさんも『音ちっちぇえ〜。おもちゃ?』という始末。おっかしいなぁ。鳴りそうなツラしてんだけどなぁ。

(1台目。見た目けっこういい感じでしょ?でも鳴らないんだなこれが)

気をとり直して2台目。これも使いまわしの弦で、応急セットアップ。汚らしいのであまり期待はできないが・・・。
しかも手抜き製作なのか、コーナーブロックありません。なんじゃこりゃっていうほど、どうでもいい扱いをうけてきたのですかね。ちなみに近代フレンチ製作者のものです。でもこれ驚くほど軽い。フィッティングすべてつけた状態で415g。ブロックないから軽いのかな?ってそれだけじゃないけど(笑)弾いてみると、これが驚くほどいい。びっくりでしたね。あら、うそっ、これい
いじゃん、ていうほど。横板の合わせかたとか、スクロールもヘンテコ、すごく雑でつくりはイマイチなのに、音はなかなかすばらしい。

(2台目。表面は傷だらけ。青カビみたいなのが生えたところはニスがとれてます)

見た目では楽器は選べないわけです。この2台の場合完全に逆転してました。もちろん100万円以上のバイオリンからしたら、こんなのゴミ同然かもしれませんが、値段以上に頑張ってるなぁと思わされました。今は2台ともお譲りしてしまったので手元にはありませんが、活躍してくれるといいなぁ。(もちろんかびみたいな汚れは一生懸命落としてからお譲りしましたが!)

2009年7月10日金曜日

むかしばなし(海外オークション1)

たまにはちょっと昔のことでも。
もう数年前になりますが、当時Masakichiバイオリンばかり3台も所有しており、そろそろ少し違うタイプのバイオリンが欲しいなと思ったことがあります。マサキチも悪くはないんだけど、やはり欧州産の材料で作られたものがほしいと。ヤフオクなんかでもよくオールドと名前のついたものが出品されているけど、どうもいつも高値になって手が届かない。

そこで海外のオークションからいくつかバイオリンを買ってみたことがあります。
海外のネットオークションは、日本のヤフーなどと違って、ご親切に自動延長なんてシステムはない。っていうか当時はなかったです。あらかじめ自分のMax予算をいれておいて、翌朝結果を見る的な感じなんですね。(ほとんどの終了時間が真夜中のため。日本人はねてます。)しかし、何回挑戦しても、必ずといっていいほど自分の予算+1ドルとか、かなしい値段で終わってることが多い。ほんと気に入ったやつとかあっても、全然落札できないんです。

だんだん腹が立ってきたので、こっちも終了間際に起きることにしたのです。夜中、3時半。夜中に目覚ましを鳴らして起きるって、さいこーにつらいです。それでもパソコンの前でぢっと待ちます。終了2秒前、自分のMaxを叩き込む!なんとか落札成功。これ、けっこうリスキーですね。ドキドキします。失敗したらなんのために起きたんだって感じですから。(汗)

しかし海外オークションの場合ここからの売主とのやり取りが面倒で。こっちはできるだけ安く安全に早く送って欲しいけど向こうは、送料で金を稼ごうとする輩がいます。ペグセットを1ドルで2つ落札したときなど、同梱を頼んだのに聞き入れられず、結局送料は10ドル×2=20ドルとられました。あげくに、届いたときは同梱してるし。え〜と同梱はできないと言っていたのはどなたでしたっけ?こういう送料で稼ぐのは、ほとんど詐欺ですネ。(笑)

それでも楽器は値段もそこそこで、日本で買うよりはだいぶ安い。調子にのって2台も買ってしまった!(汗)ただし、当時はPayPalもあまり知られていなかったし、銀行振込しかなかったので銀行から海外送金してみました。半端じゃなくたっかいです。5万くらい送金するのに手数料6300円取られました。金送るだけやっちゅーのに。

しかし肝心のものはなかなか届かなかったデス。『おくったよ』、と一言売り主からメールがあっただけで、3ヶ月くらい何も無し。さすがに不安になったというか、半分あきらめたというか。でも忘れた頃に届きました。段ボールの中に無造作に2台のバイオリンが突っ込んでありました。
『すげーな、さすが欧米。』というのが正直な感想ですかね。(^^;)


(自作一号機の後ろの方に転がってるやつがそうです。あ、でも手前はカリフォルニアバイオリンだ。その後ろです。って見えないやん)

2009年7月9日木曜日

砂漠の(?)プロメテウス作戦

最近写真を整理していたらこんな写真が出てきた。数年前にルーブル美術館に行った時に撮った写真。

そういえばおのぼりさん状態でいたるものを写真とりまくっていたなあ。これはハゲワシにはらわたをつつかれるプロメテウスさんの像じゃぁありませんか。

なんでこんな写真撮ったんだろう?まぁ、のだめは読んでいたし、砂漠のプロメテウス作戦のこともすでに単行本には載っていたとは思いますが、よくこんなのに気がついたものです←当時の自分。で、数年間忘れていましたが。
ついでにこんな写真も。怪物を退治するポセイドンか、なにかでしょうか?


なんかアホづらでうつってますね。このあと調子にのって彫像にさわってしまって怒られる。監視員はそこらじゅうにいますので(汗)悪気はなかったんですよ。はじめてルーブルに行ってはしゃいでいたので、みるもの全てが珍しかったのですねぇ。

これとか。なんでしょうね。きっと有名な像だと思うのですが(^^;)

先週末はオーケストラの練習とおでかけで製作の方はぜんぜん進んでいません。いいかげん先に進まねばならないとは思っているのですが(^^;)
今週末は2日ともオケのリハーサルです。本番終わるまでどうにもなりそうもないですね。

あ、ついでに明日映画の撮影現場に行って来ます。場所とかは言えませんが、どんな感じなのか見て来ますね〜。(ブログには書くなという旨の紙をもらいましたが、遅すぎです。もういっぱい書いちゃいました。場所とか時間は言ってないからセーフ。)

2009年7月6日月曜日

オケ練習日

昨日は予定通り長いオケ練習に行ってきた。まあ長いとはいっても午後だけですが(汗)。
僕にとっては約一月ぶりの全体練習だったので(先週は都合により参加できなかった)、ちょうど良かったのかもしれません。


昨日の練習曲はフィガロ、アルル、篤姫、パイレーツ、シンコペ、ワルツの6曲でした。
これだけみると、なんだたいしたことないじゃんという感じですが、やはり集中力を切らさずに続けて演奏するにはそれなりの気力と体力を必要とするようです。
やはり練習には参加してよかったです。自分の問題点がはっきり分かりました。
自分の場合、ネックはフィガロ。冒頭の曲の入りがまず合わない。なぜだろう?と思っていましたが、要は指揮者を全然見ていなかったのです。こういう曲の入りが静かで、弦全体が一緒にはじまる曲では、譜面ではなく指揮者の動きをみていないと絶対に遅れる。大事な課題です。あとは曲冒頭のタラタラタン、という一連のイントロ部が相変わらず弾けていないこと。指使いも少し変則的でハーフポジションが入るので、どうにも弾きにくいのです。
うーん、これはなんとかせねば。いまのところ適当に弾いてごまかしてますヨ。

アルルは最後のファランドールの終盤さえなんとかすれば他は問題無いかな?どっちにしろ終盤は真後ろの打楽器隊の音がすごくて何も聞こえないんですが(^^;)イヤ、ホント。鼓膜がキ~ンとなって、自分の楽器の音も聞こえません。盛り上がるのはいいんですけどね~。

自己練もがんばらなきゃ。

2009年7月4日土曜日

明日はオケ練習

明日はほぼ一日オケの練習日だ。オケとはいっても、僕がバイオリンを習っているところの生徒で編成されるアマチュアオケです。
全員演奏を習っている生徒なので、上手い下手は当然あるのですが、このオケなかなか皆気合いが入っているので生徒もけっこう上手い。先生たちも参加します。
レッスンでも勉強するし、皆準備にかなり時間をかけているので、本番はそれなりに上手く仕上がるのです。

しかし今回は小曲が多いので、準備がけっこう大変です。いったい何曲あるのやら(^^;)
フィガロの結婚、アルルの女、パイレーツオブカリビアン、スターウオーズ、
シンコペーテッドクロック、ワルツィングキャット、動物の謝肉祭、ドッペルコンチェルト,
etc...ざっと10曲くらい?
もちろん全部出るわけじゃないけど、このうち8曲くらい担当します。

最近忙しくてあまり練習も出来てないのだけど、明日は大丈夫だろうか?(^^;)
ブログをかいてる暇があったら、練習せい、と。(笑)その通りですね。今から練習します。しかしこれ全部明日一日でやるの?

ちなみに、本番は7/18、17:00から磯子公会堂でやります。
近くでご都合のつく方、いかがですか?チケットお譲りしますよ〜。(もちろん無料で)
一枚900円もするんですが、僕はこういうので金とるのってどうなんかな〜と思います。
興味のある方は、お知らせくださいな。

2009年7月1日水曜日

ストラディバリの秘密

秘密を買ってしまった!(^^)
いやあ〜前々から欲しい欲しいと思っていた本をついに手に入れました。
秘密といっても、もちろんこれを読んだからといって偉大な製作者の秘密が明らかになるわけではないようですが。
この本、製作者にとってはバイブルともいえる本で、クレモナの製作学校でも教科書として使っているそうな・・・。
読んどくと、きっといいことがありそうな気が。

この本、ものすごく厚い。こんなに厚い英語本、いつ読む暇があるのだろうか?(^^;)
値段は95ポンドだった。まあ定額給付金も出たということで、ちょうどそのくらいの値段だろうと思って注文したのだけど、結局2万円超えてしまった。
本が95ポンドで、送料が30ポンドって、高すぎです。しかも発送元さん、ご丁寧にメールをくださって、追跡サービス付き/保証付きにすると万が一届かなくても責任負います、追加19ポンドお支払いくださいと。
いやいや冗談きついっす。送料すでに30ポンドですから(4800円くらい)。49ポンドって、7800円ですよ?
ちゃんと普通便でも届きますから。(笑)
ついでなので、ポスターも一枚買っちゃいました。そんなに買っていつ次の造るんだ、といわれそうですが。


裏板は、先週末にちょっといじる機会があって、また少し削りました。
先週の段階ではまだまだ厚い感じがありまして、170g近くありましたが、これを一気に削って、ミニカンナでならして、、、
132gになりました。
あと最低12g・・・。減らせるか?んんん、がんばろう!